その指、ちゃんと使いこなせてる?

    基本、オイルパステルと指さえあれば描けてしまうのがチョークアート。

 道具がない、ということで簡単そうに見えてしまうわけだけど、
 たったひとつしかない道具「指」をうまく使いこなせないと
 「単純な絵」「誰が描いても同じ絵」「素人っぽい絵」
 なんてちょっと残念な印象になってしまう可能性が大です。

 

 指でくるくると回すことでオイルパステルの油分が混ざり合い
 キレイなグラデーションが出来るのが嬉しくて、夢中になって混ぜてしまう。
 混ぜたその部分だけ見るとキレイかもしれないけど、
 モチーフ全体として見た時に「あれ?なんか色が…つまんない」
 なんて どこか物足りなさを感じてしまったことはありませんか?

 

 色に複雑味がないと、ベタ塗り感が強くなってしまい、
 ベタ塗り感が強いと、どうしても素人っぽい絵に見えてしまいます。

 

 こうなってしまうのは、ようは混ぜすぎ。
 パステルでどんなに色数を足したとしても、指で混ぜれば混ぜるほど、つるんっとした1色になり、
 全体的に個性のない絵になってしまう、ということになるのです。

 

 


 モチーフを立体に見せるために入れる陰影のグラデーションは
 グラデが細かければ細かいほど、繊細な表現になります。

 例えば球体を描こうとした場合、ハイライトから一番濃い影色のところまで、
 ハイライト、中間色、影色、と3色を使うのが一般的だと思いますが、この3色をただ順番に塗っただけだと、
 急に色が変わった「色の段差」が激しく見えてしまいますよね?
 これだとキレイには見えません。

 

 色の移り変わりを細かなグラデで表現できると、繊細なイメージに変わります。

 細かなグラデを作るには、細かな混色をいくつも作っていく、ということなのですが、

 ハイライトを1として中間色を2、影色を3とするならば、
 1と2の間には1.5の色があって、また1と1.5の間には1.25の色があって、
 またその1と1.25の間には1.125の色があって...と微妙な色の差を
  1側にも、2側にも、3側にも、いくつも作っていくと、
 色の段差を感じないくらいの滑らかな美しいグラデが出来上がる。というわけです。

 ようはこういうこと  ↓  ですね(^▽^;)

 この微妙な色の差をいくつも作れると、

 「あ、ここで色が変わりましたね」って不自然なものでなくて、
 「いつの間に色が変わったの?」ってくらい自然なグラデになります。

 

 色の差を感じられないくらいの微妙なグラデ、は見方を変えると、
 同じ色がいつまでも続いてない。ということ。
 5mmでも、たとえ3mmでも先に進めば、色は微妙に変わっている、ということです。


 広い面を塗る時、例えその面に傾斜がない平坦な面だとしても、
 わずかでも色の違いを入れれると、それがあなたの目を通した色、
 あなたの感じた色、あなたの「個性」として活きてくるので、
 「誰が描いても同じような絵」から脱することができますよ(*^^*)


 まあここらへんは指の扱いというよりはパステルでの色の入れ方の話で、
 これはまた複雑なコツの話になるのでまたの機会にしますね。
 
 「じゃあ、その指の使い方って、どうなのよ?」
 というところをやっていきましょう。
 
 パステルで繊細なグラデが出来たら、それを指で混ぜるわけですが、
 ここで指の使い方を間違えてしまうと、せっかくの繊細なグラデも台無しになってしまいます。
 そうならない為にも注意しなければいけないのが、
 指でくるくると回す「幅」と「力加減」。このふたつがとても重要になってきます。

 くるくる回すその「幅」で1色の混色を作ってしまうんだ、という考えで回してください。
 直径2㎝もあるような大きな幅でくるくる回してしまうと、
 その2㎝の中は同じ色1色。になってしまいます。
 それではせっかく3mm違えば色が変わるくらい繊細な色の差で作ったキレイなグラデも意味がありません。
 
 指は決して力まかせにぐりぐり混ぜてはいけません。
 小さく優しく繊細に使います。
 
 指で混ぜてグラデを作ろうという考えではなくて、グラデはもうパステルで作り込んでおきます。
 パステルでグラデは作られているので、指は塗り込んだパステルの表面を滑らかにするだけの目的です。


 回す幅も、3mm違えば色が変わってるグラデなので、3mm幅の小さなくるくるで回します。
 パステルを重ねて作った色を壊さないよう、表面を滑らせるだけの優しい力加減を意識しましょう。
 強く回すと下層のパステルが浮いてきてしまい、色が変わってしまいます。

 

 「ちょ~面倒くさい!(>_<)」と感じてしまうと思いますが、
 丁寧に描けば、それだけ丁寧な絵になります。繊細に描けば、繊細に。

 逆に力強い絵、インパクトのある絵を描きたければごりごり混ぜるのもいいかも知れません。
 目的やイメージに合わせて指の動かし方と力加減は常に変わる。
 ということを意識して描いていきましょう。

 油彩や水彩なら何本もの筆を使い分けるし、
 習字だったなら「止め」や「払い」、
 いろんなテクニックを目的に合わせて使い分けることで
 作者が表現したい 想いのこもった作品が出来上がるわけですよね。

 チョークアートも同じことで、
 今見えてる表面の色を活かしたいのか、混ぜ込んで混色を作りたいのか、
 ざらざら、つるつる、ふわふわ、液体、金属、木片など様々な質感の表現も、
 たったひとつの道具である指を目的に合わせて使いこなすことが出来れば、
 いろんな表現が思いのままに出来るようになりますよ(*^^*)

 大事なのは、
「目的に合わせて動かし方と力加減を常に変える」
 ということです。
 
 

 PS
 今回のお話も、これが唯一の正解だ、ということではありません。
 これをヒントに自分の「描き方」を見つけられるのがベストだと思います。
 教室は、ヒントをもらうところ。
 自分の中に取り入れて、自分らしさを足してアウトプットできることを目標とするといいですね(*^^*)

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    Chalk Holic 8p. (月曜日, 08 10月 2018 01:09)

    チョークアーティストと名乗る以上、
    何よりオイルパステルの扱いに長けている事が
    最重要だと常に肝に命じています。

    まずは何よりも“基本”がしっかり出来てこそで、
    出来てそこから初めて、自分流のアレンジや
    自分なりのやり易い方法を突き詰めれば良いと思います。

    スグにモノになる人、時間が掛かる人。
    そこに個人差が有ったりするとは思いますが、
    超えた先には
    “自分だけのチョークアート”
    に辿り着けると信じています。

    素敵なチョークアーティストさんが
    これからも増えていきます様に…なんて。